「旗にはどんな歴史があるの?」
「国旗に使われる代表的な色は?」
「国旗の色にはどんな意味がある?」
このページをご覧の皆さんはそのような疑問を持っているかもしれません。
国旗によく使われるのは、赤、青、緑の3色です。
白も使われますが、白は青とイメージが重なることが多く、青・白の組み合わせの旗が多くみられます。
赤は社会主義国やイスラム諸国の国旗に、青と白は国際機関や海や空をモチーフにした国旗に、緑はアフリカ諸国やイスラム諸国の国旗によく用いられます。
今回は国旗に使われる代表的な3つの色についてまとめます。
旗の歴史
旗がいつから存在したか、確かな時期はわかりません。
しかし、集団や共同体、チームの象徴として旗を立てるのは世界各地に共通することといってよいでしょう。
たとえば、古代ローマでは「ウェクシルム」とよばれる軍旗が使われていました。
キリスト教公認後のローマ帝国や中世ヨーロッパに成立した騎士団では、十字架をあしらった軍旗が帝国の象徴となりました。
古代中国でも王朝の名前を刺しゅうした軍旗が用いられます。
中世には、国王や貴族の家紋が描かれた旗がよく用いられました。
フランスであればユリの紋章、イギリスであれば獅子の紋章といった具合です。
市民革命後、世界各地で国民国家が成立すると、国民をまとめる象徴としての役割を果たす「国旗」が制定されました。
代表はフランスの三色旗(トリコロール)です。
現在では、3つの色は自由・平等・博愛を意味すると解釈されていますね。
このように、国旗は時代とともに変化し、次第に国民統合の象徴となっていったことがわかります。
色彩による旗の分類
2015年段階で、日本政府は世界の196カ国を国として承認しています。
ということは、196の国旗があるわけですが、よく使われているのは赤、青と白、緑、なんです。
旗に使われている色にはどんな意味があるのでしょうか?
赤色の旗
赤といえば、かつてはソ連をはじめとする社会主義諸国で多く用いられていました。
現在でも中国やベトナムといった社会主義国では引き続き赤い旗が使われています。
しかし、フランス革命の時には全く違う意味を持っていました。
それは、軍事力を行使してもよいという意味の戒厳令を表す赤旗です。
以後、パリでは平時には三色旗を、戒厳令時には赤旗を掲げるようになりました。
普仏戦争の敗北により、皇帝ナポレオン3世が退位すると、パリの市民たちは自治政府「パリ・コミューン」を発足させました。
このとき、パリ・コミューンの旗とされたのが赤旗だったのです。
以後、赤旗は革命勢力、とりわけ社会主義勢力の旗になっていきます。
その一方、社会主義とかかわりがない赤い旗もあります。
その代表がトルコの国旗です。
この国旗は1844年にオスマン帝国の国旗として制定され、トルコ共和国もほぼ同じデザインを踏襲しました。
赤の意味はイスラム教の開祖ムハンマドが属したハーシム家の色とも、ジハードを象徴する色ともいわれます。
旗の色よりは、白抜きの月と星のイメージが強い旗でもありますね。
トルコについてもっと知りたい方はこちらの記事もどうぞ!
青・白色の旗
青や白は海や空を象徴することが多い色です。
高潔さや調和、安定、自由を意味するとされることも多いですね。
国際連合の成立後に独立した国の中には、国連旗の青を取り入れた国もあります。
ソマリアがイタリアから独立するとき、国際連合の支援を受けました。
そのため、国旗を国際連合に似たデザインにしたのです。
青は青空、星は加盟国の団結を象徴するとされました。
青と白の組み合わせの旗にはフィンランドの旗があります。
国旗の青は北欧の青い空。
白は北の大地に降る雪を象徴します。
フィンランドに限らず、北欧諸国では左に寄った十字(スカンディナビア十字)が用いられていますよ。
緑色の旗
緑色は自然や植物を象徴しますが、宗教的な意味合いも持ちます。
イスラム教を国の教えとしているサウジアラビアでは、緑地に白抜きで剣とコーランの一句が書かれています。
コーランの一節の意味は「アッラーのほかに神はなく、ムハンマドあアッラーの使徒なり」ですね。
日の丸によく似ているのがバングラデシュの国旗です。
日の丸が白地に赤なのに対し、バングラデシュは緑地に赤です。
緑は豊かな大地とイスラムの教え、赤は上る太陽を表しています。
ところで、バングラデシュは世界屈指のジュートの産地です。ジュートは黄麻とよばれ、昔から布製品の材料となってきました。
耐久性と通気性に優れているのが特徴です。
夏の厚いシーズンにぴったりのバッグですね。
さいごに
今回は国旗の歴史や国旗の意味について取り上げました。
2021年に延期された東京オリンピックには多くの国と地域が参加します。
テレビで見る国旗の意味を知るのに少しでも役立つとありがたいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。