北海道の観光地である函館市からおよそ70キロメートルのところにある江差町は江戸時代にニシン漁で栄えた町です。
この町で江戸時代から和菓子を作っていたのが五勝手屋本舗です。
現在も、江差町の本店は健在で函館市内・空港の土産物店やスーパー、札幌の土産物店などで製品が売られています。
今回は五勝手屋本舗の看板商品である五勝手屋羊羹の3つの魅力や独特な食べ方、ドライいちじくと組み合わせた新商品などについて紹介します。
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五勝手屋本舗とは
五勝手屋本舗の創業者である多助は、江戸時代後期にお菓子を作り始めたとされます。
檜山地方の特産品だったヒノキアスナロの木の伐採をしていた南部藩(岩手県)が江差町の五花手地区で豆の栽培に成功しました。
屋号の五勝手屋は五花手地区の名に由来します。
多助や彼の先祖たちは豆を材料としたお菓子を作ったそうです。
お菓子の材料には北前船で運ばれた貴重な砂糖や寒天も使われました。
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このころ、江差の町はニシン漁によって繁栄を極めていました。
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五勝手屋本舗の正確な創業年は不明ですが、看板商品の五勝手屋羊羹が販売された1870年(明治3年)を創業年としています。
その後、明治・大正・昭和・平成・令和と時代が引き継がれ、現在は6代目が五勝手屋本舗を引き継いでいます。
五勝手屋羊羹の3つの魅力
五勝手屋羊羹はレトロな見た目と独特の味わいで人気がある商品です。
レトロでかわいいパッケージ
1つ目の魅力はレトロでかわいいパッケージです。
中でも、一番知名度が高い「丸缶羊羹」は赤を基調としたデザインで、非常に目立ちます。
一度見たら忘れられないインパクトがあります。
金時豆のやさしい甘さ
2つ目の魅力は金時豆を使ったやさしい甘さです。
羊羹というと小豆を使ったものが一般的ですが、五勝手屋羊羹は金時豆を使った珍しい羊羹です。
金時豆はいんげん豆の一種で北海道で栽培されるいんげん豆の7割を占めます。
金時豆について知りたい方はこちらのサイトをご覧ください。
北海道でよく見かける「豆パン」は金時豆の甘納豆が入ったもので、北海道でよく出される赤飯は金時豆などの甘納豆が入っています。
道民にとって金時豆は非常に身近なものであり、それを使った五勝手屋羊羹は地域に根付いた菓子といえます。
金時豆を使った五勝手屋羊羹は癖がなくさっぱりとした仕上がりです。こちらは北海道東部にある中標津町で作られている標津羊羹です。
五勝手屋羊羹と同じく金時豆の羊羹でやさしい味が特徴です。
女子カーリング北京五輪2022で、プレイヤーたちが食べていた「もぐもぐタイムのようかん」として取り上げられました。
羊羹の「あたま」を集めた”通好み”が絶品
五勝手屋羊羹の先端部分は砂糖がまぶされ、とても甘く、独特な食感があります。
この部分がとてもおいしいのですが、先端部分は一本につき一つだけです。
「ここだけ食べたい!」と子どものころ思ったものですが、なんと、五勝手屋本舗の公式サイトを見ると、この部分だけを扱った商品があるのです。
それが「通好み」
丸缶羊羹の”あたま”だけを集めた商品で、砂糖のシャリシャリ感が楽しめる逸品です。
五勝手屋本舗のオンラインストアでお求めください。
新商品も次々と登場!
今回は五勝手屋の丸缶羊羹を中心に紹介してきました。
五勝手屋にはこれ以外にも様々な商品があります。
その中で注目しているのがドライいちじくと羊羹を組み合わせた商品です。
「回/Re-Fruit」と名付けられた商品は、ドライいちじくの中に五勝手屋羊羹を詰めたものです。
五勝手屋羊羹の上品な甘さといちじくの酸味、果実の持つ強い甘みが絶妙にマッチします。
フルーツ好きで羊羹好きなら、是非食べてほしいと思いました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。