塩野七生著 『神の代理人』 ルネッサンス期の4人の教皇たち

今週のお題「読書の秋」

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こんにちは。木彫りグマです。

今週お題が「読書の秋」ということで、ずーっと昔に読んで、今でも印象深い塩野七生さんの『神の代理人』を取り上げようと思います。

タイトルになっている『神の代理人』。この言葉は西欧のキリスト教世界ではもっとも権威のある人物を指す言葉です。 

 

神の代理人とは?

さて、神の代理人とはだれを指す言葉でしょう?それは、写真のサンピエトロ大聖堂の主であるローマ教皇(法王)を示します。

キリスト教には大きく分けてカトリックプロテスタントの2つの流派があります。(ほかにもいろいろありますが、今回は一番大きな区分だけ紹介しますね)

ローマ教皇カトリックの聖職者のトップです。

初代のローマ教皇のペテロ(ペトロ)は、イエスの直弟子である12使徒のトップとして挙げられる人物です。ペテロはイエスより天国の鍵を与えられたとされています。

つまり、神や神の子であるイエスにかわって、人々を天国に導くかどうかを判断する役割を与えられたと解釈されるのです。

最初、このタイトルを見た時にはかなり堅苦しい話かなと思ったのですが、読んでみると非常に人間臭いドラマが描かれていました。

ルネサンス期の4人の教皇たち

この本の主人公は全部で4人。それぞれの短編集だと思ったほうがわかりやすいです。

 

十字軍に取りつかれた教皇ピオ2世、複雑な国際政治を生き抜くとても現実的なボルジア家出身の世俗的な教皇アレッサンドロ6世、アレッサンドロ6世と生涯対立し、教皇になったのちは軍の先頭に立ってしまうほどの勇ましい教皇ジュリオ2世、銀行家のメディチ家出身で教皇庁を1代で破産させたともいわれる教皇レオーネ10世

 

理想と現実のはざまで生きたルネサンス期の教皇たちの人間ドラマは、その時代のことをよく知らない人が読んでも面白いと思えますよ。

生々しい教皇選挙

教皇はローマ教会の高位聖職者である枢機卿たちの互選で選ばれます。

出身国や聖職者としての人脈をフルに使いながら教皇選挙での勝利を目指すのです。

 

あるときは、根回しにたけた枢機卿教皇となり、またある時は、選挙での対立から妥協点として中立派の人物を擁立したりと現代の選挙とはまた違った当時の政治闘争の姿を垣間見ることができます。

 

 著者の塩野さん自身がイタリアに在住しイタリア語を読むことができるほどの臨場感で、あたかも歴史の現場に立ち会っているかのような錯覚を覚えてしまいます。

1972年の本ですので相当古いですが、今読んでも面白いと思いますよ。

 

ということで、今回は『神の代理人』の紹介でした。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。