幕府のお金事情を比べてみよう

「鎌倉幕府のお金の源って何?」
「室町幕府はどうやって財政を保っていたの?」
「同じ武家政権なのに、財源はどう違うの?」
そんな疑問を持つあなたへ——。
実は、鎌倉幕府・室町幕府のどちらも3つの収入源をもっていました。
しかし、その内容を比べると、経済の安定度には大きな差があります。
なぜこんな違いが生まれたのか?
ここでは、それぞれの幕府の「お財布の中身」をわかりやすく整理して紹介します。
鎌倉幕府の3つの収入源
1. 関東知行国(知行国からの税)
将軍は朝廷から8か国(越後・信濃・武蔵・上総・下総・相模・伊豆・駿河)の 支配権を認められ、そこからの税収を得ていました。
2. 関東御領(没収した平家の土地)
平氏滅亡後、平家が持っていた500以上の荘園などを没収し、 これらが幕府の大きな財源となりました。
3. 承久の乱で得た土地
承久の乱(1221年)で勝利した鎌倉幕府は、 上皇側についた貴族・武士の土地を大量に没収しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 没収した土地 | 3000か所以上 |
| 分配先 | 戦功のあった御家人へ |
| 幕府の効果 | ・御家人の所領増加で忠誠が強まる ・動員できる兵力が増え、軍事力が向上 |
これらにより、鎌倉幕府は土地に支えられた強固な経済基盤を築きました。
鎌倉時代全体の流れを知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
室町幕府の3つの財源
1. 直轄地(御料所)からの収入
室町幕府も直轄地を持っていましたが、鎌倉幕府ほど広くなく、 経済力は弱いものでした。
2. 商業・庶民からの税収
室町幕府は財政難のため、あらゆる場面に税をかけました。
| 税の名称 | 内容 |
|---|---|
| 関銭 | 街道の関所を通る際の通行税 |
| 津料 | 港(津)での取引にかかる税 |
| 段銭 | 田畑の面積に応じてかかる臨時税 |
| 棟別銭 | 家の数に応じて課税される臨時税 |
| 分一銭 | 徳政令の効果を取り消してもらうために支払う税 |
| 土倉役 | 高利貸し業者(土倉)にかけた税 |
| 酒屋役 | 酒屋にかけられた税 |
室町幕府は「少しでも現金が入るなら何でも課税」という状態で、 財政の苦しさがよく表れています。
3. 日明貿易による収入
- 日本から貢物を送る
- 明からは数倍の価値の「下賜品」が返ってくる
実質、日本側が大きく得をする貿易で、幕府の貴重な財源でした。
明について知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
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鎌倉幕府と室町幕府の違い
| 項目 | 鎌倉幕府 | 室町幕府 |
|---|---|---|
| 経済基盤 | 広大な土地支配で安定 | 直轄地が少なく不安定 |
| 主な財源 | 土地・荘園からの税 | 商業税・貿易 |
| 軍事力 | 御家人の所領増加で強化 | 財政難により弱体化 |
このように、鎌倉幕府は「土地」による強い支配力、 室町幕府は「商業と貿易」に支えられた不安定な財政という違いがありました。
室町幕府が弱体化し、最終的に戦国時代へ突入した背景には、 この経済力の差が大きく関わっています。
問題演習
問1:室町幕府が実施した「半済令(はんぜいれい)」の内容として正しいものはどれか。
-
守護にその国の収入の半分を与えた
-
すべての年貢を半分に減らした
-
商業税を半額にした
-
御家人の所領を半分没収した
正解:1
問2:土倉役・酒屋役は誰に課した税か?
A:高利貸し業者(土倉)や酒屋