私の好きな言葉~人間万事塞翁が馬~

こんにちは。木彫りグマです。

12月も20日を過ぎると、年末年始モードに突入します。

毎年、この時期になると「一年の振り返り」特集が放送されていますね。まして今年は、平成最後の冬。いやがおうにも振り返り特集が多くなるのでしょう。

一年、平成30年間、いや、人生そのものを振り返るとき、必ず頭をよぎるのが人間万事塞翁が馬という慣用句です。今回はこの言葉を軸にお話をいたします。

なお、中国史に関する関連記事はこちらです。

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中国人と遊牧民の歴史

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この言葉の解説をする前に、中国人と遊牧民の歴史に触れていきましょう。

中国大陸の北方には遊牧民たちがいました。彼らは馬に乗ることが巧みで戦いが上手でした。騎馬軍団のスピードは歩兵とは段違い。数では中国軍が優勢でもスピードに勝る遊牧民に勝つのは至難の業でした。

キングダムで有名な秦の始皇帝。彼は、遊牧民とたびたび戦うだけではなく彼らが中国に攻め込めないよう、壁を作ることにしました。それが万里の長城です。

あれだけ長大な建造物を作ったのは、それだけ中国にとって遊牧民族の攻撃が脅威だったからです。実際、遼や金、元、清といった遊牧民・半遊牧民が長城を越えて中国を支配することもありました。それだけ、遊牧民は強力だったのです。

塞翁の意味と国境の現実

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塞翁の「塞」は砦という意味です。万里の長城ができる以前も、できた後も遊牧民に備えて各地に砦が作られました。塞翁というのは砦のそばに住んでいる老人という意味です。塞翁が馬の舞台は緊迫する国境地帯だったのです。

では、遊牧民はどのような時に攻めてきたのでしょう?

普段、遊牧民は中国の人々と貿易をしています。毛皮や乳製品を穀物や絹と交換していました。しかし、貿易がうまくいかなかったり、遊牧民の人口が増えて遊牧だけでは食べていけなくなると、食料や物資を求めて中国など周辺諸国に攻め込みました。

そんな時、国境周辺に住む人々は兵士として動員されます。戦いのプロとも言ってもよい遊牧民との戦いは、さぞかし恐ろしいものだったでしょう。

日本は海に囲まれ国境線の認識が薄くなりがちな国です。しかし、大陸諸国は常に国境周辺でトラブルが起きます。これは、現代でも同じです。

トランプ大統領がメキシコ国境に壁を築きたい気持ちは、秦の始皇帝が一番理解できるかもしれませんね。良い悪いは別にして、国境外から人々が押し寄せるのは脅威を感じることでしょうから。

 

塞翁が馬のストーリー

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昔々、中国の北の端、遊牧民との国境沿いに老人が住んでいました。砦の近くに住んでいたことから「塞翁」と呼ばれていました。

ある時、塞翁が飼っていた馬のうち一頭が牧場から逃げ出しました。人々は「災難だったね。」と慰めると塞翁は「いや、これがどんな良いことにつながるわからないよ」といいました。

しばらくして、逃げた馬は北の草原から大勢の優秀な仲間を引き連れて帰ってきました。周囲の人は「すごいラッキーだね!」と口々に言いましたが、塞翁は「いや、これがどんな悪いことにつながるかわからない」といいました。

しばらくして、塞翁の息子が連れてきた馬にまたがったところ落馬してしまい大けがを負いました。塞翁はこれも良いことにつながるかもしれないと周囲に言いました。

それから間もなく、突如として遊牧民が国境を越えて攻め込んできました。塞翁の集落の人々も兵士として動員されましたがほとんどが戦死してしまいました。塞翁の息子はケガをしていたので徴兵を免れ生き残ることができました。

人生は吉凶・禍福が予測できない。これが塞翁が馬の教訓でした。

さいごに

これは、自分自身の人生を考えてみても当てはまるように思います。

例えば仕事をやめて転職した時。辞めるときは「これからどうしよう」と不安になりますが、新しい仕事との出会いで価値観が大きく変わり視野が広がることもあるでしょう。

ちょっとしたことで小金を手にし、そのお金を人に貸してしまうことで人間関係にひびが入ったこともありました。

まさに、人生はどうなるかわからないものです。

良いことが起こっても舞い上がらず、悪いことが起こっても落ち込みすぎない。

なかなか難しいですが、心したいものです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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