「ベトナムってどんな国?」
「コーヒーやフォーなどベトナムの食べ物とは?」
このページをご覧の皆さんはそんな疑問を持っているかもしれません。
ベトナムは東南アジアの国の一つで、20世紀前半はフランスの植民地でした。
一時、日本が支配しますが、太平洋戦争後にフランスが植民地支配を復活させます。
しかし、フランスの植民地支配に対しホー・チ・ミンらは独立運動を展開しました。
フランスが撤退後、ベトナムは南北に分けられますがベトナム戦争の結果、南北ベトナムが統一し現在に至ります。
統一後、ベトナムは社会主義国でありながら独自の経済路線をとり急成長を遂げます。
時差が少ないこともあって、日本企業はベトナム積極的に進出しました。
ベトナムはとても食べ物がおいしい国で、フォーや生春巻きなど日本人になじみがあるベトナム料理もありますよ。
今回は、ハノイを首都とするベトナムについてわかりやすく解説します。
ベトナムの地理
ベトナムは南北1,650キロメートルに広がる南北に細長い国です。
ベトナム北部を流れる紅河は、ハノイを含む広い平野を作り上げます。
人口のおよそ7割は紅河のデルタ地帯に集まっています。
かつては、サイゴンとよばれました。
南部を流れるのは東南アジア屈指の大河であるメコン川です。
ベトナムは熱帯の気候のため、高温多湿。
とはいえ、赤道直下ではないので雨季と乾季があるサバナ気候です。
ベトナム観光を楽しむのであれば、乾季の冬が良いかもしれません。
近代ベトナムの歴史
ベトナムが現在の領土になったのは19世紀です。
19世紀にできた阮朝はシャム(タイ)に亡命していた阮福瑛がフランス人宣教師ピニョーの支援を受けて建国した国でした。
そのため、建国当初からフランスとのかかわりが深い国だったといえます。
19世紀の中ごろ、イギリスやフランスは東南アジアや中国に積極的に進出。
各地を植民地にしていきました。フランスはベトナムに目を付けます。
フランスのナポレオン3世はベトナムに兵を派遣しベトナム南部を征服。
ナポレオン3世が戦争に負けて退位した後も、フランス共和国政府はベトナムに圧力をかけ続け、ベトナムを植民地にしてしまいました(フランス領インドシナ)。
第二次世界大戦中、フランス領インドシナは日本に占領されます。
戦争に負けた日本がベトナムから撤退すると、フランスはベトナムの支配を強化しようとしました。
そのフランスに反発したのがベトナム独立を目指していたホー・チ・ミンです。
ホーチミンはソ連や中国の支援を受けてフランスとインドシナ戦争を戦いました。
ベトナム軍はすぐれた装備を持つフランス軍を徐々に追い詰め、ディエン=ビエン=フーの戦いでフランス軍に決定的な勝利を収めます。
1954年に結ばれたジュネーヴ休戦協定では北部にホーチミン率いるベトナム民主共和国、南部にアメリカが支援するベトナムが成立しました。
1965年、アメリカは南ベトナムを支援するため本格的に介入し、ベトナム戦争が始まります。
ベトナム戦争においても、ベトナム人は粘り強く超大国アメリカと戦い続けました。
1973年、多くの犠牲に耐えられなくなったアメリカはベトナムから撤退し、ベトナム戦争が終わります。
その2年後、北ベトナム軍は南ベトナムの首都サイゴンを陥落させ、ベトナム戦争が終わりました。
1990年代以降、急成長を遂げたベトナム経済
1980年代、ソ連をはじめとする社会主義国では経済がうまくいかなくなってきました。
ソ連でペレストロイカという経済改革が行われ、中国で改革開放政策が行われていたころ、ベトナムでは「ドイ=モイ」政策が行われます。
ドイ=モイ政策は、社会主義の枠の中で食糧の増産や消費物資の生産拡大、輸出の拡大などを狙った政策です。
ドイ=モイ政策を打ち出した経済学者のグエン・スアン・オアイン氏は、日本で経済学を学んだ人物ですね。
ドイ=モイ政策は、最初暴走します。
改革のスピードが予想以上に早かったため、ベトナム人自身が大混乱してしまったのです。
このあたりは、エリツィン政権時代のロシアと似ているかもしれません。
政府はインフレを抑えるため金利を引き上げ、世の中に出回っていたお札を回収。公共事業を減らすことでお札の流通量を減らしました。
その効果が表れ、徐々に物価が下がり、混乱は治まっていきます。
1990年以降、ベトナムは外国資本を積極的に受け入れ、経済発展をはかりました。
ベトナムの武器は安い労働力です。
欧米などの資本主義国では、安く製品をつくることができるベトナムに積極的に進出する動きが目立つようになります。
特にベトナムに進出してきたのは衣料品をつくる工場でした。
人件費が安いベトナムでは、欧米よりも安く服をつくることができたからです。
農業の面では、嗜好品のコーヒーに注目が集まりました。
コーヒーは熱帯、中でもサバナ気候を好む傾向があります。
世界で一番生産量が多いのはブラジルですが、ベトナムはそれに次ぐ第二位まで生産量が伸びたこともあります。
日本ではマイナーですが、世界的に高く評価され生産量を伸ばしてきました。
コーヒーの代表的品種であるアラビカ種とロブスタ種をブレンドしたこちらのコーヒーは、複数の豆を使ったことで深い味わいを醸し出しています。
個人的にはちょっと苦みが強く感じましたが、朝の目覚めにちょうどいい感じでした。
頭をすっきりさせたい方にオススメですね。
ベトナム人は、日本にも数多くやってきています。
その多くは技能実習生や留学生として来日し、学びながら働いています。
ベトナムを代表する食べ物
ベトナムといえば、やっぱり「生春巻き」が欠かせません。
定番中の定番といってもいいですよね!?エビやハーブがまかれているのがよく見かけます。
醤油系のソースを絡めるのが個人的には好きです。
ベトナムは日本と同じく米文化圏の国。ある意味、日本よりも徹底しています。
ベトナムで麺といえば、米で作った「フォー」が当たり前。
あっさりとしたスープは白湯を思わせます。
レモングラスなどのハーブを入れて、香り豊かな麺として味わうのもおすすめ!
個人的に好きなのはソフトシェルクラブという小さなカニの丸ごと揚げ。
唐が柔らかいので、丸ごと食べられます。エビの唐揚げを食べているのに似た感覚ですが、一番口にあった食べ物ですよ。
他にも、たくさん日本人の口にあいそうなベトナム料理があります。
日本国内でベトナム料理を扱っている店なら、日本人好みにアレンジしてくれているかもしれませんね。
新型コロナウイルスの脅威が去ったら、ぜひ、食べに行きたいです!
さいごに
ベトナムは、第二次世界大戦やベトナム戦争を乗り越えて経済成長を遂げてきました。
1990年代のアジア通貨危機やリーマンショックなどの経済危機を乗り越えて力強く成長している国です。
今回のコロナショックを乗り越えた暁には、豊富な資源と優秀な人材をもつベトナムの急成長はさらに加速するかもしれません。
今後もベトナムの成長に注目したいと考えています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。