「コンコルド効果」って何?
「コンコルド効果」の意味や具体例が知りたい
「コンコルド効果」が投資や教育、恋愛に応用できるって本当?
このサイトに来てくれた皆さんは、こうした疑問をお持ちかもしれません。
「コンコルド効果」とは、いったん投資してしまった費用や時間を惜しみ、損をするとわかっていてもお金や時間を費やすことを止められないという心理現象のことです。
「コンコルドの誤謬」ともいいますね。誤謬とは過ちのこと。つまり、コンコルド効果は過ち、失敗に関連する言葉だというのがわかります。人は、「もったいない」という気持ちを持ってしまったとき、損切りすることができずにズルズルと行動を続けがちです。
今回は、「コンコルド効果」の意味や由来、投資や教育、恋愛などとの関連についてわかりやすく解説します。
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「コンコルド効果」の由来となった航空機の「コンコルド」
「コンコルド」とは、イギリスとフランスが共同開発した超音速旅客機のことです。
コンコルドは通常の旅客機よりもはるかに高い空域を飛行し、2倍の速度を出すことができる画期的な旅客機でした。
現在の代表的な旅客機の一つであるボーイング747のニューヨーク・ロンドン間の飛行記録は5時間弱。それに対し、コンコルドは同じ区間を3時間弱で飛行することが可能でした。
このコンコルド開発計画は世界的に大きな注目を集め、パンアメリカン航空や日本航空などから合計100機以上の注文を受けます。
しかし、開発を進めるにつれてコンコルドの欠点が明らかになってきました。通常よりも長い滑走路が必要なことやコンコルドが発する凄まじい爆音(ソニックブーム)、他の旅客機よりも短い飛行距離、そして高い運用コスト。
欠点が明らかになるにつれ、各航空会社は受注をキャンセルしてしまいます。
この段階で、コンコルドが失敗に終わることが目に見えていました。しかし、イギリス・フランス両国は、すでに投資した資金や時間を惜しみ開発を続行したのです。結局、コンコルドは16機を生産したのみで商業的には大失敗に終わりました。
「サンクコスト」と割り切れず、損失が拡大
コンコルドの開発は、騒音問題や燃料費、高すぎる運航費用などが想定された段階で中止されてもおかしくないプロジェクトでした。しかし、イギリスとフランスの両国は計画を止めませんでした。
いったいなぜなのでしょうか?
それは、コンコルドの開発に費やした費用や時間があまりに膨大だったからです。回収不能な損失のことを「サンクコスト」といいます。
どんなに頑張っても、「失敗作」のコンコルドの運用を継続することで「サンクコスト」を回収することはできません。むしろ、コンコルドを運用し続けることで損失は拡大し続けます。
両国は「わかっちゃいるけど、止められない」状態だったのでしょう。コンコルドに限らず、一度始まってしまった巨大プロジェクトはコンコルドの誤謬に陥りがちです。
コンコルド効果の具体例
コンコルド効果は何も巨大プロジェクトに限られた話ではありません。私たちの日常でもしばしば起きている身近な心理現象です。
たとえば、恋愛におけるコンコルド効果とはどのようなものなのでしょうか。皆さんの周りに、明らかに「醒めて」いるのに恋愛関係を続けているカップルはいませんか?
お互いに、「最近、マンネリ気味」と思っていても、交際している期間や過去の楽しい想い出などが頭をよぎると、なかなか別れられない。
受験においても似たようなことがみられます。
「せっかく浪人して医学部を目指したのだから、なんとしても合格しなければいけない」。他にも有望な学部があるにもかかわらず、当初の目的や費やしてきた受験勉強の期間などを考え、医学部合格のために何浪もしてしまう学生を見たことがあります。
あるいは、ソーシャルゲーム(ソシャゲ)の課金もそうですね。「最近全然やっていないゲームだけど、今まで課金してきた分がもったいない」。そう考えて、たいして楽しくもないのにダラダラとゲームを続けてしまう。
家中に服があふれている人はいませんか?かつて来ていた服が、体形が変わった精できることができずにクローゼットの肥やしになっていませんか?
それでも、「体形が戻れば着るかもしれない」。「もったいない」。そう思ってなかなか整理できないのもコンコルド効果といえるでしょう。
他にも、実はたくさんのコンコルド効果を私たちも経験しているはずなのです。
コンコルド効果から逃れるには?
コンコルド効果から逃れるには、すでに回収不能となった「サンクコスト」を断捨離するのが一番です。
お互いに利益がなく、良い将来が見えない恋愛関係なら、別れを検討してもよいでしょう。第一志望校にどうしても手が届かないなら、第二志望校でもできることはないか、検討するべきです。
やっていないゲームは思い切ってアンインストールすれば、無駄な時間を使わずに済みます。服など物理的なものなら、メルカリや中古品買取店で売ることができるかもしれません。
すでに支払ってしまったコストを「損」と割り切って断捨離するのはとても有効なコンコルド効果への対策です。
まとめ
コンコルド効果とは、いったん投資してしまった費用や時間を惜しみ、損をするとわかっていてもお金や時間を費やすことを止められないという心理現象のことです。
コンコルド効果は公共事業などの巨大プロジェクトに限らず、私たちの日常でもしばしば起こる心理現象です。コンコルド効果の呪縛から逃れるには、取り戻せない費用(サンクコスト)を「損」と割り切って断捨離してしまうことです。
コンコルド効果の意味や由来、具体例などを知りたいと思ってページに来てくれた皆さまが「そうだったのか」と思えるような時間を提供できたらとてもうれしいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。