元予備校講師の受験対策ブログ

元予備校講師の木彫りグマが、受験対策(主に古文・漢文・地歴公民・面接・小論文)について書くブログ

 本サイトはプロモーションが含まれています

「ハイパーインフレって何?」「お札を刷りすぎるとどうなるの?」「日本でハイパーインフレは起きたのか?」わかりやすく解説!

 本サイトはプロモーションが含まれています

ハイパーインフレって何?

お札を刷りすぎるとどうなるの?

日本でハイパーインフレっておきたの?

 

このページをご覧の皆さんはそのような疑問を持っているかもしれません。

ハイパーインフレとは、紙幣価値が暴落し物価が暴騰することで、発生するとお札が紙切れ同然になり、生活必需品がほとんど買えなくなってしまいます。

 

ハイパーインフレの原因は紙幣(お札)の刷りすぎです。

国が支出をまかなうため、お札をたくさん刷りすぎるとお札の価値がなくなり、モノの値段が急騰してしまうのです。

 

日本でも何度かインフレは起きています。

日本でおきたハイパーインフレとして有名なのが戦後直後のインフレでした。

 

今回はハイパーインフレとは何か、お札を刷りすぎるとどうなるのか、日本でかつておきたハイパーインフレとは何かについて、わかりやすく解説します。

 

Bundesarchiv Bild 102-00238, Vernichtung von Papiergeld.jpg
Bundesarchiv, Bild 102-00238 / Pahl, Georg / CC-BY-SA 3.0, CC BY-SA 3.0 de, リンクによる

 

ハイパーインフレーションとは

昔、学校の公民の時間に「インフレ」ということばを教わったかもしれません。

インフレとはインフレーションの略です。

 

インフレーションというのは、モノに比べて紙幣が多い状態で、モノの値段が上昇することを指しました。

インフレ自体は通常の経済でも起きることです。1~2%程度のインフレなら、むしろ、起きたほうが経済にプラスの影響を与えます。

 

f:id:kiboriguma:20210412102741p:plain

100兆パピエルマルク紙幣

しかし、ハイパーインフレともなると話は別です。

 

第一次世界大戦で敗北したドイツでは、ドイツの紙幣であるマルクの価値が急落しました。

その結果、なんと物価が1兆倍に跳ね上がるというとんでもないことが起きてしまいます。

 

紙切れ同然になってしまったドイツの紙幣は「パピエルマルク(紙のマルク)」といわれるようになりました。

 

あまりに凄すぎて、よくわかりませんよね。

 

f:id:kiboriguma:20210412102645p:plain

ベネズエラハイパーインフレ

現代ではベネズエラで起きました。

その時のインフレ率は250万パーセント。

ベネズエラの通貨「ボリバル」は、本当に紙切れ同然になってしまいました。

そういった国では、世界的に信用があるドルが使われます。

近年では、自国通貨を信用できない人々がビットコインなどの仮想通貨(暗号資産)を持つこともあるようですね。

 

日本でおきたハイパーインフレ

原因は戦時中の紙幣増発

f:id:kiboriguma:20210412102558p:plain

玉音放送終戦を知った日本人

ハイパーインフレは遠い異国のことだと思っていませんか?

 

実は、日本でも戦後直後にハイパーインフレが起きています。その原因は第二次世界大戦でした。

 

戦時中、日本政府は軍需物資を調達するため大量の日本銀行券を印刷します。

その結果、日本中に紙幣があふれ、紙幣の価値が低下していました。

 

第二次世界大戦の敗北で、裏付けを失った日本の紙幣価値はどんどん下落します。

日本政府と当時日本を占領していたGHQの中核であるアメリカはインフレを懸念。

対策を検討しました。

 

かつて、インフレを懸念して紙幣を減らす財政政策が行われたことがありました。明治時代に行われた松方財政です。

松方財政について知りたい方は、こちらの記事もどうぞ

kiboriguma.hatenadiary.jp

  

預金封鎖と新円切替

f:id:kiboriguma:20210412103307p:plain

新円切替

1946年2月16日、幣原内閣はGHQの指導の下、緊急勅令を出して預金を封鎖しました。

政府のの目的は世の中に出回る紙幣の量を強制的に減らすことです。

 

また、同時に新円への切り替えも発表されました。

人々が持っている旧円を強制的に銀行に預金させます。

そして、預金の引き出し金額を制限し、紙幣の流通量を減らそうとしました。

 

これらの措置で旧円はほぼ無価値となり、紙くず同然となります。

 

 

預金はインフレに弱い

紙幣が新円に切り替えられても、インフレは継続しました。

そのため、国民が持っていた貯金の多くが価値を大幅に減らしてしまいます。

 

1934年を1とした場合、20年後の1954年の物価は301.8。

20年間で物価が300倍になりました。

 

ということは、1円の価値が20年間で30分の1に激減したことになります。

絶対と思われている貯金も、インフレの前には無力でした。

 

そんなの、過去の話でしょう?今は大丈夫なんじゃないの?

 

そう思っていると、思わぬところで足をすくわれるかもしれません。

実は、現代でも緩やかではありますが、インフレは起きています。

 

日本銀行は毎年2%程度のインフレを目標としています。

1~2%程度のインフレがあったほうが経済成長に有利だからです。

 

ところが、今の日本では銀行預金などの金利はとても低い状態が続いています。

1%どころか、0.1%にも満たない利子率も珍しくありません。

物価が1%上がるのに、利子が0.1%しかもらえないなら、差である0.9%ずつ、資産が減少していることになります。

 

つまり、銀行預金だけではインフレに勝てず、徐々に資産が目減りしてしまうのです。

 

一生懸命働いて貯蓄を増やすのは大変良いことですが、それだけでは、自分の資産が少しずつ減っているということも頭に入れておくべきでしょう。

新型コロナ危機とインフレ懸念

2021年現在、新型コロナウイルスによる経済危機に対応するため、世界各国は金融支援を強化しました。

景気対策の事業や補助金、給付金などの財源に充てるためです。

早い話、お札をたくさん刷って、世の中にばらまきました。

 

そうなると、紙幣の価値は低下します。

現に、インフレに強いとされる株などの金融資産が大きく値上がりしました。

銀行預金以外の金融資産を持つことが自分の財産を守るために必要な時代になったのかもしれません。 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

プライバシーポリシー お問い合わせ