器の大きさ大陸一! 漢の高祖 劉邦

こんにちは。木彫りグマです。

 

先日、日産自動車の会長だったカルロス=ゴーン氏が逮捕され、会長職を解任されましたね。ゴーン氏の功績や疑惑を今の段階で評価するのは少し早すぎる気がしますが、トップの在り方ということを少し考えさせられました。

 

今回は古代中国で漢王朝を建国した劉邦について書きたいと思います。

なお、中国史に関する関連記事はこちらです。

kiboriguma.hatenadiary.jp

 

kiboriguma.hatenadiary.jp

飲んだくれの田舎公務員

f:id:kiboriguma:20181203205531j:plain

今から2200年前の中国は「秦」の時代でした。

マンガ『キングダム』で取り上げられている秦王政が中国を統一して作った王朝です。

しかし、秦はその過酷な法律の支配から人々の恨みを買ってしまいました。

 

劉邦は田舎の農民の子です。

農民になるのが嫌で昼間から大酒を食らうような人でしたが、なぜから、人々の人気がありました。

劉邦が飲んでいることを聞きつけるや、周辺の人々が一緒に飲みたいと酒場に集まるので、劉邦が来る日は満員御礼。

そのため、劉邦の飲み代はタダになったといいます。

 

劉邦の仕事は田舎の警察署長です。

規模から考えると、派出所の駐在さんというほうが適切かもしれません。

そんな劉邦に、中央政府から「工事で働かせるための人を集め、工事現場まで連れてこい」という命令が下されます。

 

劉邦、反乱軍のボスになる

劉邦は命令に従って人々を引き連れます。

しかし、工事現場での過酷な労働を聞いていた人々は次々に脱走します。

秦の法律では期限に間に合わなかったり、規定の人数を集められなかった場合は責任者が処罰されることになっていました。

やけっぱちになった劉邦は自分も一緒に逃亡してしまいます。

 

ちょうどそのころ、陳勝呉広という農民たちも劉邦と同じように秦の支配から逃げ出します。彼らは逃げるだけではなく反乱軍を組織して秦と戦い始めました。

 

秦から派遣されていた沛県(劉邦が警察署長をしていた地域)の県令(県知事)は、反乱軍に攻め込まれることを恐れて劉邦と手を組もうとします。

しかし、土壇場になって県令は劉邦を城に入れることを拒否。劉邦を慕う人々は県令を殺害して劉邦を迎え入れました。

こうして劉邦沛県の反乱軍のボスとなります。

 

任せるときは徹底的に 劉邦人心掌握術

劉邦は、自分よりもすぐれていたり、相手の言うことが正しいと思うとすぐに取り入れる柔軟な人でした。

酈食其(れきいき)という儒学者が面会を求めてきたときのこと。劉邦儒学者が大嫌いだったので、礼を尽くさずに足をおつきの女性に洗わせながら面談しようとしました。

酈食其が「それが年長者に対する態度か!」と一括すると、はっとしてすぐに無礼を詫びて彼の意見に耳を傾けました。

その結果、攻め落とそうとしていた城を無傷で手に入れることができ、勢力を一気に拡大することができました。

 

劉邦は、いったん相手を信用するとほとんど丸投げといってもよいくらい任せてしまいます。

政治や経済のことは蕭何(しょうか)に、外交などについては張良に、謀略については陳平に、戦場での指揮は韓信にといった具合で任せてしまいます。

いったん任せると、劉邦はほとんど口を出しませんでした。

仕事を任された方からしてみれば、非常にやりやすかったと思います。

 

陳平が敵の分裂工作を実行した時、今でいう数億円単位の金を渡して「好きに使え」と言い切ったのが一番わかりやすい例でしょう。

 

現代ではコンプライアンスの問題などもありますから、全部丸投げというのはできないでしょう。

しかし、信用した以上は細かなことには口を出さないというのは上司の在り方として見習ってもよいのかなぁと思います。

 

「将に将たる」 ボスの心得

戦場で圧倒的な力を誇っていたのが劉邦のライバルとなる項羽でした。

直接対決で劉邦は一度として勝利することができません。

 

劉邦は戦場での指揮を韓信という天才指揮官に委ねました。

韓信は直接項羽と戦うことは避けつつも、巧妙に相手の力を削いでいきます。

背水の陣で数倍の敵を打ち破ったのがこの韓信でした。

結局、最後は韓信の指揮する大軍が項羽を打ち破りました。あの四面楚歌のもとになった戦いです。

 

戦いに勝利した後、韓信はあまりの戦争のうまさと持っている広大な領土のために皇帝となった劉邦におそれられました。

韓信は反乱を起こそうとしましたが、事前にバレて逮捕されます。

 

その時、劉邦韓信に「お前はあんなに戦いが上手だったのにどうして負けて捕まったのか?」と皮肉を言いました。

 

すると韓信は「戦場で兵隊を率いたら私の方が陛下より強いでしょう。ですが、陛下は有能な武将を思う存分働かせる能力を持っています。私が敗れたのも当然でしょう」と答えたといいます。

 

とかく、自分が優秀であると部下のやっていることが非効率に思えてあれこれと指示を出したくなります。

部下を育て、組織全体を強くするためには、時に丸投げにしたほうが良いのかもしれません。

ちなみに、韓信のように功績を立てすぎると組織の中では浮いてしまいます。

「狡兎死して走狗煮らる」の例えの通り、用が済んだら排除されてしまうことが多いようです。

果たして、今回のカルロス=ゴーン氏の場合はどうだったのでしょうか。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。